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タイトル: 「充填120%」?どうやって溜めてんの、それ?
日付: 2001年 10月 22日 21:15
「エネルギー充填、120パーセント!」という台詞を聞いて「あぁ、あれだ。」という方は、もう十分に大人な年齢である事は請合ってもいい。
そしてそういう歳の人間はテレビのCMなどを見ていると、毎朝滋養強壮剤を飲んで出かけ、120パーセントの労働力を発揮しなくてはならないらしい。
「パーセント」は割合で言い換えれば1〜10までしかないはずで、「力の充填、12割っ!」と叫んでも違和感甚だしいし、「12割の力を出して勤めます!」と訴えても、「おうっ、そうかっ!」と相槌を打ってくれる面接官はいまい。
すこしはなしがずれた。
この滋養強壮剤のCM、以前のバージョンでは朝に気合の入っていないご亭主に、妻がその滋養強壮剤を「ズイッ」と指しだし、ご亭主はそれを一騎飲みしたうえで出勤するというものである。
これが最近のバージョンでは、ご亭主だけでなく妻も飲み下して一緒に出勤するようになった。
不景気なご時世、夫婦共稼ぎで120パーセント労働しなければ、自宅一軒屋のローンを返す必要でもあるのか、生活が立ち行かないとでも言うのか・・・と捕らえてしまう。
次のバージョンでは子どもも飲んで、登校するようになるのかもしれない。
1人の人間のある日の「100パーセント」というのは、前日までの活動や食事、睡眠などで決定される事であり、朝起きて目が覚めた時点からの活動もあって決まってくるものであるはずだ。
滋養強壮剤は、廉価なものは主にカフェイン、高価になっていくと生薬などによる興奮剤としての効果により、このような「それまでの結果としての100パーセント」を越えた身体活動を引き出すために飲む。
これを続けていくと、数字のトリックで「滋養強壮剤を飲んだ状態=100%」という困ったことになる。
なぜ「困ったこと」かというと、労働の実体によって何%に達するのかは人それぞれだが、その人物の生活で得られる1日の100%は越えているのは、言うまでもなくおわかりいただけると思う。
滋養強壮剤を飲んで100%ということは飲まない場合には100を越えてしまっているし、逆に維持するために飲み続ける羽目になれば依存症で、我慢も出来なくなって休日にも飲んでいるとか言い出せば中毒症であろう。
さて実際に、それで出勤して労働する。
会社では不景気も手伝って人を減らし、賃金は増えないまま一人あたりの業務は増加しており、さらに悪い事に「できる人にもっとやってもらう」という押し付けが、「実力主義」という言葉でカモフラージュされてまかり通っているご時世である。
つまり120%でできる人には、150%やってもらおうというのが会社というものである。
会社はなるべく少ない資本力で価値をできるだけ増加させることによって利益を拡大する存在だが、その実際の実行力である労働には最大の出力を求めるものだから。
また、経営に携わる人は「パーセント」が好きである。実際の金額から目がそれる効果もあるからだ。
「業界ベースで○%の賞与アップ」。
○が100だとしても、月給25万円の100%アップと50万円の100%では、「25万増額」と「50万増額」となる。
これを社長の講和などで、本気で「功績」や社員への「貢献」として話しているのであるからたまったものではない。
問題なのは実質の金額であるし、業界の平均給与がどうであろうがどれだけ生活の水準を上げる(あるいは維持する)ほうが、聞かされる方にとっては大事だからだ。
というように、日本中の男性はパーセントで騙し騙されている。
「大学生が分数計算が出来ない。」とのニュースがあったが、パーセントの誤用誤解も五十歩百歩であろう。
そして「エネルギー充填、120%っ!」が原因の一旦を担っている気がしてしょうがない。
人間にはターボエンジンはついてないし、ましてや日本のサラリーマンは「波動砲」ではないし、破壊された個所が一瞬目を話した次のシーンで復活するような「不死身の宇宙戦艦」ではない。
「男なら負けるとわかっていても戦わねばならない時がある。」には賛成だが、コップに100%以上の水を注ぐとこぼれるのは自然の理なのである。
逆に、波動砲を撃つ時をシステム可動限界(←エネルギーではない)の100%とすると、通常はせいぜい70%程度の出力しか使っていないことになる。
日常などはそんな程度でいいに違いない。
そしてキメる時に全力、さらには火事場なんとやらでもいいら必要なだけの力を発揮できるほうが、常に無理をしつづけて肝心な時に踏ん張りが利かないよりよっぽど良い事だと思う。
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