裏切り者の聖竜士を、絶対力が使えないファー・マディングの街で探すアル＝ソアであったが、はかどらない中で、あきらめて次の計画へ移るかどうかを迷っていた。
その計画には、ナイニーヴの協力はもとより、カドスアンと彼女の連れている異能者、それぞれの護衛士となった聖竜士たちが必要不可欠だった。アル＝ソアは裏切り者討伐を打ち切り、カドスアンへ自分のアドバイザーになってほしいとメッセージを送る。
だが、次の計画に出立する直前、密告の手紙が届けられる。罠と判りつつも、手紙に書かれた場所へ踏み込むアル＝ソアとランは、アル＝ソアの仇敵を目前にする。

なかなか複雑で、ちと長い第九部完結編。ラストでは、次の展開を期待させるアル＝ソアの大事業の成功が描かれています。

完結編です。物語の中ではすでに数年たち、デンジャープラネットもシリーズとしての「次」に詰まっているところ。
ですがかつての登場人物たちが登場する中で、この世界と彼らが時間を経てそれぞれ進んでいること、今回の主要人物たちがこの後進んでいく先、という描かれ方がさわやかで、嬉しいシリーズです。
こんな人生を変えてしまうゲームや人に会いたいもんです。

激動の後のロー・テンションの巻。にしても、リンダはちと気が楽になりすぎでは・・・。

「レッド」と同様に、スピードが乗る後半。「レッド」がカタストロフィーであったのに対し、今回は革命風景が強いですが、そこは「違う惑星の間での関係」という、歴史上に類がないこと、という描かれ方が知的です。

相変わらずの描写ボリューム。テンポは多少悪いものの、読み応えがある。「レッド」を踏まえた人物描写や、成立した社会とその歴史とその影響の描き出し方に注目です。

自分を殺そうとした裏切り者の聖竜士を追うアル＝ソアは、絶対力が使えないと言われる街、ファー・マディングを訪れていた。そして２人の聖龍士を発見し、１人と片をつける。
そして同じ町に、カドスアン・セダーイも到着した。言うまでもなくアル＝ソアに会うためで、町の評議会員に話をつけたカドスアンは、早速アル＝ソアの前に現れた。

アル＝ソアの取っての予言が、実現するときが来た。エレイン王女、アンビエンダ、ミンの３人は、アル＝ソアとの間に異能者と護衛士の絆を結ぶ。３人を思う心に優劣を付けられなかったアル＝ソアは、その結果に皮肉な笑いを浮かべる。だが、エレインはその絆以上のことも、アル＝ソアに求めた。
一方、ショーンチャン人の「帰還」に巻き込まれた、マットがいるエバウ・ダーの街に、九つの月の娘の２つ名を持つ女王、トゥオンが降り立った。彼女こそは、アエルフィンがマットについて言った予言の女性であった。彼女はマットを始めてみた席で、意外な言葉を発し、マットを驚愕させる。

新シリーズ開始の聖刻年代記。新キャラ紹介編という感じで、謎賭け伏線かけただけです。続き待ち。