王位継承を宣言したエレインに、将軍を拝命させられたビルギッテはしつこく護衛をつけることを要請するが、エレインは承知しない。だが、それがあだとなる事件が、エレインを襲う。
自らの行方をくらませていたアル＝ソアは、ミンとともに飛躍孔う旅の到達地として、頭の中の前竜王のささやき曰く＜運命の落とし穴＞である場所へやってきていた。

アンドール王国へ戻ったエレインは、ついに同国の王位継承を宣言する。だが、傍らにアル＝ソアはおらず、確かめたいいくつもの事柄を尋ねることもできないまま、アル＝ソア行方不明の報に揺れる。
一方、アル＝ソアから負かされた任務を進めていたペリンは、シャイドー・アイールの襲撃によって妻ファイールを連れ去られてしまう。
そしてアル＝ソアは、襲撃を受けたとの報を機に、ミンとともに姿を隠し、自らが起こすであろう終末の後にも、技術や文化を継続させる希望として設立した学園を視察し、それをエレインに託す手はずを整えていた。

「レッド」のクライマックス。「機動戦士ガンダム」のコロニー落とし並の崩壊劇と、火星という環境を考えて描かれるテロリズム、それらによる崩壊と戦う"最初の百人"の人々。この続きがあるというのだから見逃せない、と思わせるダイナミックな後半です。

ネビュラ賞、英国SF協会賞受賞作。新世代の火星記作品の金字塔。読もう読もうと思っていて、積読になっていたシリーズ。少々込み入っていて読みづらい点はあるものの、描き出される火星の様子と、入植していく人々の活動のリアリティーは圧倒的。

相変わらずのノリで、面白おかしく読めてしまう爽快シリーズ。

家庭生活のレベルで、地上住居者が宇宙生活に向かう心理的葛藤と、宇宙生活が当たり前になっているメインキャラクターたちのギャップを描き出す、クレギオン第四弾。
中盤まではホームドラマっぽいんですが、終盤のスピード感、そして歯切れ良い終わり方は楽しいです。

え〜ん、遊びたいよー(涙)。

本編では退場した悲劇の貴公子を描く「ナリス・シリーズ」が続いている外伝。グインも気楽に中世西欧風ファンタジーで読んでますが、そのベースに王族貴族やそらにその中での身分と貧富の差についても、冷静で過酷なシーンがある一作。

また地獄の引きですよ〜(苦笑)。