ショーンチャン軍がエバウ・ダーを襲撃した報を聞いたアル＝ソアは、＜黒い塔＞の男性異能者の手勢にとどまらず、各貴族にも招集をかけた。
首輪によってダマネと呼ぶ異能者を使役するスル＝ダムを擁するショーンチャン軍と、ついに激突するアル＝ソア軍。
その戦場で、男性異能者は、力の源であるサイディンの異常を感じていた。

面白いんですけど、「知性化」シリーズとかぶってて、少し及ばないかも・・・。
外文明支援省、目的人格(パーパソイド)、慣性系同調航法とその弱点、10ギガオーダー・クライシスとシェン・メイジャンと主人公の関係とかのSF設定は秀逸。

第３部完結編。相変わらずの複雑な利用関係の中で、ようやく解決します。

＜小さい塔＞をアミルリン位として、タール・ヴァロンへの進軍を率いるエグウェーンは、その途上、異能者を警戒するアンドール国とムランディー国の貴族たちと会談を持つ。 エグウェーンを飾り物として考えている他の高位の異能者たちをまえに、自らの言葉で会談を取り仕切ることで、異能者、貴族たちに自分の存在を認めさせる必要があった。それは彼女にとって、大きなかけであった。

現代版の「不思議の国のアリス」的な、面白さが前面に出ていて、訳もその雰囲気と語をよく訳してくれていて、とても面白いです。原版のタイトルだけ見たって、かなり面白そうでしょ？

知性化の嵐の完結編。話のスケールは知性化の力関係のピラミッドを越えて、さらに大きくなって、それが物語の中で荒唐無稽とは思わせない設定と構成がすばらしい。上巻といっき読みです。

アル＝ソアとの密談の末、放逐された風を装って出立した"金目の将軍"ペリンと一行は、ようやく目的地のギールダン国へ至った。だがこの地は、略奪の横行する荒れ果てた場所となっていた。
早速、略奪の現場に鉢合わせしたペリン一行は、襲われていた旅人たちを救出し、危険ゆえに同行することを進める。だが、その旅人たちを率いていたのは、メイディンと名乗って逃亡をつづけるモーゲイズ女王、その人だった。

テレビシリーズの脚本に忠実なこのシリーズも完結。21周年になる来年は、なにか動きがあると良いなぁ。

文庫版も分冊で登場の極厚ミステリー。前半だけあって、なにがなにやらわかりません。

風の鉢をようやく手に入れたエレインとナイニーヴ。２人は識女たちと探風師を率いて、天候を回復するため、その鉢の力を解放しようとする。
違う場所では、また異なる集まりがもたれていた。カンドール国エセニエル女王、サルダエア国テノビア女王、アラフェル国パイタール王、シエナール国イーザー王。この大荒廃地を望む地域の国々の君主が、目立たず会合し、密約を結んでいた。

闇セダーイを打つべく、ついに都市イレイアンを包囲するアル＝ソア。
だが、闇セダーイと戦えるのは、どのような軍勢を率いてきても、訓練した聖竜士を連れてきても、やはりアル＝ソアだけだった。
そして闇セダーイのサマエルは、追い詰められて呪われた遺跡シャダー・ロゴスへ逃げ出し、アル＝ソアを待ち伏せる。だが、シャダー・ロゴスの災いは、サマエルの想像を超えていた。

エバウ・ダーにある識女の集まりの招待を、風の鉢の探索の行きがかり上で知ることになったエレイン王女。
一方ケーリエン国にあって、闇セダーイと戦う決意をしようとしているアル＝ソアは、身近にいるミンを、いつもより意識している自分に気づいていた。その様子を見抜いる彼女がとった行動は・・・。

東方で世界の中心と言われる歴史のある大国「梗醍果」。その勢いも全盛とは言わなくとも、東方の情勢に関して責任を持つ大国であることに変わりは無かった。
若くしてその王となったショク・ワンは、巨大な蟲と魔人＜御仁＞族によって、東方全域が聞きに陥っていることを知る。
陰謀渦巻く中、その討伐へ向かうショク・ワンであったが、それが世界の組成を変えてしまう運命の岐路へ続くとは、このとは思うよしも無かった。