アイール人を率いてケーリエンを占領したアル＝ソアは六千人もの兵士とともに絶対力によって、短時間で決着をつけるため闇セダーイのラヴィンがいるはるか遠くのシームリンを強襲した。

第五部完結編。アル＝ソアはかなりの強敵を倒し、竜王の再来として広大な地域を治める立場に立つが、その代償も大きくついています。

ついに始まったサマラの町での暴動。その合間を縫ってナイニーヴとエレインはようやくつかまった船に乗り、サマラを後にする。
そしてようやくたどり着いた青アジャの集結地サリダールには、アエズ・セダーイの能力を失ったシウアンとリアネも身を寄せていた。
セダーイ候補のままで困難な旅をしてきたナイニーヴとエレインを、集結していたセダーイたちは相変わらず候補生として扱おうとする。

月刊大河ハイ・ファンタジー第３巻。
このシリーズ、作者自身が「人物の心理描写が肝心」と言うだけあるのですけど、それにしても登場人物がことごとく賢い。
ところが人物の思考についての記述はくどくないんです。
「魔道士の掟」としてはこの巻で折り返し。今年中に２冊で第１部完です。

七つの月がしろしめす世界、ルナルを舞台とした１つのシリーズの完結編です。
話としてはまとまって大団円、ラストシーンのどんでん返しとも、このシリーズらしさの溢れるものです。
ただ、本来はもう二冊ほどあるべきシリーズな気がします。読んでいて、はしょられている部分が多々ある印象です。
実際にそうであれば、１番消化不良なのは著者かもしれませんが・・・。

皇帝は病に臥し、国家としても衰退し、いまにも従属国が独立や叛乱をおこしそうな神聖ロタール帝国は、馬の体に人の上半身を乗せた形をした巨人兵「人馬操兵」を駆るバルーサ人の侵攻に対して今一度、実情と伝統にのっとり軍を起こしバルーサ軍と対峙する。
神聖ロタールの小さな属国イシュカークを再興したデュマシオンは、その戦の中でも「龍の器」として手に入れた軍備と、持ち前の機転によって不利な帝国軍を支えてきた。
しかし政治的に二つに割れていた帝国軍の双方から疎まれたイシュカーク軍は、デュマシオンのちょっとした揚げ足を取って更迭しようとする。
内敵おも考慮しなくてはならないデュマシオンは、瀕死の病状にもかかわらず遠征してきた皇帝その人に拝謁する。
そして、デュマシオンが心寄せるサクヤー姫の父親でもある皇帝は、デュマシオンを見定めた上で戦がこう着状態に陥ったとき、ある決断を下した。

キャラクター物のノベライズとしてはよいのですけど、この調子でもうすこし分量がほしかった気がします。
新規に配属されたパイロットや、上手く噛み合うように構築された戦況などがもったいない感じでした。
それとはべつに、戦争物なのにそれはないだろ・・・という点が１つありますが、それはネタバレなのでやめときます。

クーラディンが率いるシャイドー・アイールの軍は、ついにケーリエン国の首都ケーリエンに達した。アル＝ソアの率いる他の７部族のアイール軍が追いついたとき、首都の城壁の外はすでに焼け野原であった。
首都を前にして、両軍はついに全面的に衝突する。
絶対力によって援護を行うエグヴェーンとアビエンダと並び、アル＝ソアもその強大な力をシャイドー・アイール軍の上に撒き散らした。
その一方で、アル＝ソアから一旦離れようとしたマットは行きがかり上、別方面から戦場へ駆けつけようとしていた、ケーリエン国歩兵隊とティア国騎馬隊の混成部隊と遭遇した。
そしてその部隊が敵に待ち伏せされているのを発見したのは逆方向からきたマットだけだったため、警告するだけのつもりが部隊の指揮をする事態に陥る。
そして危機を切り抜けた部隊の前に現れた新手を率いていたのは・・・。

新書の分厚さのタブーを打ち破った、陰陽師・憑き物落とし探偵「京極堂」シリーズの文庫化最新刊。
書店で積みあがっているのを見ると、文庫ではなくてまるで箱が積みあがっているように見える、そう感じるほどの分厚さです。
ですがその１４００ページを読みきらせてしまう面白さも、厚さとともに健在です。

ほんとは事態は一転どころではなく二転三転します。そして見え隠れする５銀河系の騒乱とその原因となった恒星船の・・・。
「スタータイド・ライジング」を読みたくなるほどです(苦笑)。

待望の「知性化シリーズ」最新作！
それも今回は三部作だそうで、そのボリュームに圧倒されます。
そしてこれまでのシリーズで謎とされていた話題のカケラがチラホラ。
下巻との同時発売。第２部、第３部が待ち遠しいです。

ついに８０巻台スタート。他に読んでいたのを止めてこちらを先に読みました(爆)。